中田クルミ インタビュー

中田クルミ インタビュー

生活にときめきを

電車は単線1両編成というような、実家がとても田舎なんです。中学生のときに、雑誌のZipperやCUTIEなどを読んだ影響で、東京に対する憧れを強く持つようになり、とにかくおしゃれをしたかった。雑誌のストリートスナップを見ていると、東京に行けばこんなに面白い人が、私の知らない楽しい世界が東京にはあるんだって思っていました。
宮藤官九郎さんの作品に感銘を受け俳優としてあの世界に入りたい、宮藤官九郎さんと同じ大学に行けばもしかしたら会えるかもしれないと、その大学の附属高校に行き、そのまま同じ大学に入って上京。
俳優になるために大学では映画の勉強をして、世に出るためのきっかけになればと思い、始めたのがモデルです。

自分が映画やドラマを見て、世の中にはこんなに面白いものがあることを知ったように、私もその入り口になれたらいいなと思っています。
例えば、ある俳優さんのファンの方がドラマを見ていたら、たまたま私が目に入って、それがきっかけで私のInstagramまで辿り着き、そこからHATCHを知るかもしれない。Instagramも、世界が広がるきっかけをたくさん提供することができればいいなと思っています。



中田クルミが選ぶアイテム一覧を見る >




ときめくか、ときめかないか

持っていて、部屋に置いていて、罪悪感がないものを買うことが多いです。例えば、セレクトしているシリコンバッグのように環境負荷がないものなどは、罪悪感がないという理由で買います。
それと、ときめくもの!シルバニアファミリーではないのですが、なにか無性にときめいてしまうものは買ってしまいますね。リビングにシルバニアファミリーが置いてあると一見、ん?って思うかもしれないですけど、無条件でときめいてしまうものは手に取ってしまいます。
ときめくっていうのは見た目だけではなくて、思い出と繋がっているものだったり、一手間加わって可愛いものとか。テープライターも自分でラベルを作って、元々貼ってあるシールを剥がして、貼る。それだけでちょっとした特別なものになる。そういうものが好きですね。なんとなく便利そうだから、では買わない。
洋服を選ぶ基準も、これ使えそうだな、便利そうだな、着回しできそうだなという基準は全くなく、ときめくかときめかないかです。

昔はカッコつけたい、ちょっとした理想みたいなのがありました。こういうインテリアにしたいとか、こういうものを持ちたいとか。でも、歳を重ねて、東京での生活が長くなるにつれ、本当は自分はどういう風に暮らしたいのか?ということを考えるようになりました。よく友人に、クルミの家は落ち着きがあってなんだか実家っぽいと言われます。自然とものを買う基準も変わってきているのかもしれませんね。
ついつい家にものが増えてしまうのですが、多いながらに、自分でときめきというフィルターを通しているから、意外と統一感が出るものなんですよ。



もの+思い出

断捨離は定期的にしています。自分で把握できない程、多くのものは持っていたくなくて。頭の中でこれはここ、あれはあそこっていうように、把握できないものはなくすようにしています。クローゼットの総量を超えたくはない。
でも不思議と、出た分だけ入ってくるんです。この時計はもう使わないから友人にあげようって渡すと、別の方から時計をいただいたりシューズクローゼットを整理をすると、この靴どうぞってプレゼントでいただいたり、不思議と自然に循環しているんです。

そのものに想いが入っていると、自分にとっては価値を感じられて、大切にしようと思います。人からいただいたものはその人の顔が浮かぶし、思い出します。例えば香水も、あの役のときにつけていたもの、これはあの旅行のときにつけていた香水だとか。そのものに思い出や経験がつくと、より自分にとって大切なもになるんだなと思います。



背景を感じられるもの

CHANELのオートクチュールの展示会を見させていただく機会があるのですが、行くたびに一着一着説明していただけるんです。このワンピースは、2万個のビーズが使われていて、何百時間かけて作られています、というような説明を。パリのCHANELのアトリエで縫っているところを見たことがあるのですが、あのアトリエで何百時間もかけて縫われたものがこうやってアートになり、何百万円ですと言われたら、納得できると思います。
編み物が好きなのですが、モチーフ編みというのが最近流行っていて。このモチーフ編みというのは、機械では編めないんです。だからファストファッションブランドで売られているニットもモチーフ編みが使われていたら、絶対に1つ1つ手編みで作られているんです。そう考えると、大切に着ようって。そのものの背景を感じられると、価値があるなと感じます。



HATCHには嘘がない

HATCHは、知っている方が何人か参加していることもあって、以前から知っていました。面白いサービスだなって。自分では探しても辿り着かないような、どこで見つけてくるんだろうっていうものを紹介していますよね。それと、HATCHには嘘がないなと思うんです。本当にみなさんが自分で使っていておすすめしたいものをセレクトしている。私も紹介するからには、自分が実際に使って良いものや、自分のフィルターを通したものしか紹介したくないと思うので、それがHATCHには詰まっている。
HATCHのセレクトは、理想というよりは、実際に私の生活に馴染んでいるものたちです。ものを選ぶときに、ときめきっていうものを大事にしてほしいなと思います。思わず人に話したくなるようなものって、素敵じゃないですか。



中田クルミが選ぶアイテム一覧を見る >